「”SDGs”とは ?ー日本企業の事例ー」

みなさん、こんにちは。

先週から「SDGs」を題材にコラムを進めており、”SDGsとはなにか”とSDGsの観点が活きている外資系企業の興味深い取り組みを紹介しましたが、今回は後半戦。SDGsに基づいた国内企業の興味深い取り組みを紹介します。

花王:

「花王」は、「2020年度のSDGsへの取り組みの評価が高い日本企業ランキング(※)」で14位を獲得しています。「資生堂」「KOSE」とともに日本の化粧品業界のシェアトップ3に君臨しており、創業は134年前の1887年です。

明治20年は、江戸時代の鎖国状態から、西洋の文化が入って20年が経過したころで、西洋文化が日本に根付いてきた時代といえます。超老舗企業ですが、歴史がある分古い体質が残っていると思われがちかもしれませんが、全くそんなことはありません。

業界をけん引する企業はSDGsのゴールへの達成に加えて、商品の品質向上も同時に叶え、消費者からの支持が強固になる取り組みを多数行っています。

「花王」は、消費者が持続可能なライフスタイルを送れるように的確なアシストをするべくESGの戦略として、「Kirei Lifestyle Plan」を策定しています。

(※)調査:ダイアモンドオンライン社、対象者:約1万人、参考:https://diamond.jp/articles/-/252039

ファンスクmemo

ESG

∟「環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)」の頭文字を取って名付けられた造語で、「イー・エス・ジー」と発音します。非財務の情報でありながらも企業へ投資する際に活用されており、より良い経営をしている企業を表す指標という観点から、企業投資の新しい判断基準として注目されています。

従来の判断基準とESGが注目されている理由

∟企業価値を計る方法としては、業績や財務状況の分析が主流でした。しかし、企業の安定的かつ長期的な成長には、環境や社会問題への取り組み、ガバナンスが少なからず影響しているという考えが広まり、ESG投資が世界的にも注目されるようになりました。現状の財務状況だけでは判断がむずかしい将来の企業価値を計る上上でもESGが重要な判断基準として採用されています。

花王は、生活者が求める暮らしを Kirei Lifestyle と定め、掲げているビジョン・コミットメント・アクションから戦略を作り、計画に落としこんだものを「Kirei Lifestyle Plan」として、社会のサステナビリティに貢献する取り組みを進めています。

誠実で清潔な“徳のある企業”であるための起源である「正道を歩む」という精神が「Kirei Lifestyle Plan」のベースになっており、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」といった3つの軸に沿って取り組みがなされています。

取り組みの代表的なものとして、「ユニバーサルデザインの採用」があげられます。ユニバーサルデザインとは、文化や国籍、性別や障害の有無などを問わず、特別な改造や特殊な設計をせずに、すべての人が、可能なかぎり最大限まで利用できるように配慮されたデザインを指します。「わかりやすい」、「使いやすい」、「安全・安心」の要素を融合すると、SDGsの重要な視点である「サステナブル(持続可能性)」すなわち「使いつづけていただける」配慮がされていると判断できるため、SDGsに関連する取り組みといえます。

画像は「花王」HPより抜粋していますが。このように見やすいカテゴリー表記もSDGsの1つ。何に使う商品なのかがわかりやすい配慮がなされています。


今やスタンダードになっているシャンプーボトルの側面の”きざみ”は、1991年から採用されています。はじまりは毎年数件ではあるものの確実に寄せられている『シャンプー・リンスの容器が似ていてわかりにくい問題』を改善するために、1989年から研究・開発がスタートしたものです。

寄せられたご意見の中には、「洗髪時に目をつぶっていても区別がつくようにしてほしい」といった見えていなくても判別できるようにしてほしいというものもありました。開発時に行われた誤使用の実態調査では、約6割が洗髪時にシャンプーとリンスを間違えたことがあると回答しているようです。

筆者も、シャンプーを購入したと思っていたら間違ってコンディショナーを購入してしまったり、洗髪時に先にコンディショナーを出して桶の中で待機させた経験があります。間違えてもそこまでの死活問題にはならないものの、間違えない方が良いに越したことはありません。

”きざみ”が入ったシャンプーボトルが発売されてからも「花王」の取り組みは終わりません。

発売と同時に、消費者の生活の質をあげるためには、自社だけで”きざみ”を入れるのではなく、業界で統一する必要があると考えられました。かねてより行っていた実用新案の申請を取り下げ、”きざみ”が業界統一のものとなるよう日本化粧品工業連合会を通じて業界各社にはたらきかけた結果、今では業界各社の賛同を得ることができ、ほとんどのシャンプーに”きざみ”がつくようになりました。

自社の取り組みの中に留め、実用新案を取得すれば、”きざみ”は花王が独占できる状態にありました。自社の技術力を守ることはもちろん、市場ニーズの取り込みと利益を考慮しても実用新案を取得することが現実的です。しかし、誠実で清潔な“徳のある企業”としての「正道を歩む」という「花王」の精神で、業界に働きかけてスタンダードをつくりあげていくことは簡単なことではないですよね。
SDGsが推進されるおよそ25年前からの取り組みはSDGsの根底を押さえており、日本を代表する老舗企業の取り組みは世界に誇るべきものだと感じます。

弊社もオリジナルブランド「ハイジニーナセラムシリーズ」の開発・製造にあたり、サステナビリティを意識したモノづくりをしてまいりました。「ハイジニーナセラムシリーズ」はデリケートゾーン専用コスメで、右からウォッシュパック、セラムとなります。

デリケートゾーンケアが習慣化されていない日本では、使い方やケアの方法を細かくお伝えしなければ「正しいケア方法の啓蒙」はおろか「フェムケア文化を日本に根付かせる」ことは到底難しいと考えています。

使用方法の説明書を作成したり、動画で伝えるといった方法はありますが、『正しく使用することへのハードルを下げる』ことが先決でした。

”洗う”ということは、当たり前の工程ですが、間違った洗い方をしてしまう人々が減らなければ意味がありません。

『誰が使っても簡単に、最高レベルのケアをお届けしたい』

ーこの視点から、”ウォッシュパック”が誕生しました。こすらずに汚れを吸着させるテクノロジーを駆使し、塗る→パック→洗い流すという簡単3ステップ。

お客様を想い、使命を全うすることがSDGsにつながっています。

2週に渡って、SDGsの本質と外資系・国内企業それぞれの事例を紹介いたしました。SDGsを意識した取り組みをしようと意気込むのももちろんですが、社会に還元できる方法を追求すると、おのずとSDGsにつながるのではないでしょうか。このコラムを機に、「社会に貢献できること」を考えてみてくださる方が増えると嬉しいです。

次回はSDGsに掲げられた17の目標の内容と事例を紹介してまいります。配信は、7/2(金)の21時です。

ぜひご覧ください。

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